マシュマロの薬剤師日誌

病院で薬剤師やってます

🆕2型糖尿病治療薬オゼンピック皮下注

2018年3月23日

2型糖尿病治療薬

セマグルチド

(商品名オゼンピック皮下注2mg)の製造販売が承認された。

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⭐️適応は「2型糖尿病

⭐️用法用量は

  「週1回0.25mgから開始

      4週間皮下注射した後、

      週1回0.5mgに増量し維持用量とする。

⭐️なお患者の状態によって適宜増減するが、

    週1回0.5mgを4週間以上投与しても

   効果不十分な場合は週1回1.0mgまで増量可」

 

 

血糖降下作用をもつもの

⭐️インスリン

⭐️インクレチン

 ‥食事の摂取などにより消化管から産生される

…血糖値が高いとインスリン分泌を増強

   血糖値が正常や低い時は増強しない作用

…グルカゴン分泌を低下させ、

    肝臓での糖新生を抑制する。

 

インクレチン関係の糖尿病治療薬

💊「DPP4阻害薬」

インクレチンの分解酵素(ジペプチジルペプチダーゼ4:DPP4)の選択的阻害作用を有する。

 

「GLP-1受容体作動薬」

インクレチンホルモンであるヒトGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の受容体に作用する。

 

※GLP-1は、

  小腸下部のL細胞から分泌され、

膵β細胞でインスリン分泌を促進し、

膵α細胞でグルカゴン分泌を抑制し、

中枢では摂食抑制ホルモンとして作用する。

 

 

【GLP-1受容体作動薬】は

作用持続時間から以下2つに分類されます。

1》連日投与の短時間作用型

  (血中消失半減期:2~5時間)

2》週1回投与の長時間作用型

 (血中消失半減期:12時間~数日)

 

※週1回投与の持続性GLP-1 受容体作動薬

💊エキセナチド(ビデュリオン)

💊デュラグルチド(トルリシティ)

 

 

今回、承認されたセマグルチド

⭐️3製剤目の持続性GLP-1受容体作動薬

⭐️ヒトGLP-1アナログ製剤

⭐️連日投与のGLP-1受容体作動薬リラグルチド(ビクトーザ)と同様にアシル化技術を用いることで、半減期を約1週間まで延長させた

 

 

日本人を含む2型糖尿病患者を対象の試験で

⭐️単独療法

⭐️経口血糖降下薬の併用療法

⭐️インスリン製剤の併用療法

いずれにおいても、優れたHbA1cの改善効果と安全性が示された。 

 

主な副作用として

●悪心(15.1%)

●下痢(7.2%)

●リパーゼ増加(6.7%)

●便秘(6.4%)など

 

重大な副作用は

低血糖

●急性膵炎

 

【ポイント】

胃腸障害の軽減を期待して少量から開始

4週間後に維持用量に到達する用量漸増法を用いる。