マシュマロの薬剤師日誌

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恐怖指数について😱

将来の投資家心理を表す「VIX指数」【恐怖指数】とは?


VIX指数とは、

ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)」の略称です。

 

アメリカのCBOE(シカゴ・オプション取引所)が、アメリカの主要株価指数「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを元に算出・公表しています。

 

VIX指数は投資家の恐怖心理を示すパラメータとして有名です。

 

通常、VIX指数の数値が高いほど投資家が相場の先行きに不透明さを感じていると考えられています。

このような背景から、VIX指数は別名「恐怖指数」とも呼ばれています。

 

💡ボラティリティ(Volatility)とは?
ボラティリティ(Volatility)」は、

直訳で「落ち着きがないこと」「移り気」という意味の英単語です。

この言葉は金融用語としても使われており、一般的には投資商品価格の「値動きの荒さ」を示します。

たとえば、

株価の値動きが激しいと

➡︎「ボラティリティが大きい」

株価の値動きが緩やかだと

➡︎「ボラティリティが小さい」

といった表現をします。

 

具体例を挙げてみましょう。

10日間で株価が10%上昇した2つの銘柄があるとします。

片方は毎日1%ずつ株価が上昇した銘柄。

もう片方は、5%上昇→3%下落→5%上昇…と、株価が乱高下しているとします。

このとき、着々と値上がりしている前者より、株価が乱高下している後者の方が、ボラティリティが高いと言えるでしょう。

 

ボラティリティが荒い相場では、株価は乱高下します。

利益を出す投資家や損失を出す投資家が多数発生するため、投資家たちが感情的になりやすい時期とも言えるでしょう。

このような背景もあり、ボラティリティの大きさは投資家心理と密接に関わっていると考えられています。

特に、相場が暴落するときなどはボラティリティが極端に大きくなり、損失を抱えた投資家が恐怖を覚える時期でもあります。

このような背景もあり、ボラティリティは投資家の「恐怖心理」と特に関係が深いと考えられています。

 

ただし、これまでの例では、ボラティリティはあくまで過去の値動きの荒さを示すものです。

過去の投資家心理を探ることができたとしても、将来の投資家心理を調べる手掛かりとは言いづらいでしょう。

 

ではなぜ、VIX指数は「将来の」投資家心理を知るのに有効と考えられているのでしょうか。

 

ここで注目していただきたいのが、VIX指数が「オプション取引」を基に算出されているという点です。

一般的に、

先物市場やオプション市場は、

株式市場の先行指標であると考えられています。

 

たとえば、

「オプション市場が上がる」

→「日経平均が上がる」

といったことや、

「オプション市場が下がる」

→「日経平均が下がる」

のような流れて相場が動くと考えられています。

 

これを更に言い換えると、

「オプション市場の値動きが荒くなる」

→「株式市場の値動きも荒くなる」

という動きが想定されるでしょう。

 

よって、オプション市場のボラティリティが高くなっていれば、

投資家は「将来、相場が大きく動く」と予想していると考えられるでしょう。

 

このように、オプション価格を用いて算出されたVIX指数は、将来の投資家心理を表すパラメータとして利用されています。

 

VIX指数と市況の関係は?

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上の図はアメリカの株価指数であるS&P500とVIX指数の推移です。

2008年のリーマンショック時(株価暴落局面)では、VIX指数は80を超える水準まで上昇しました。

上図意外の期間のチャートを見ても、概ねVIX指数が40を超える局面では市場全体に恐怖が充満しており、株式が売られ過ぎている状況であることが多いようです。

 

VIX指数を取引するには?
このようにVIX指数は将来の投資家心理を反映する指標として使われていますが、取引することもできます。

具体的な銘柄としては、三菱UFJ国際投信が運用しているETF「国際のETF VIX短期先物指数<1552>」が挙げられます。

このETFは今回ご紹介したS&P500の VIX指数に連動するETFです。

この銘柄を使うことで、投資家心理を捉えた取引も可能でしょう。